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思い出と捏造-世華多-

インテグラ

ひょんなことから、昔の落書きをみることになった。

しかしながら、最初見た時、自分の絵のような気がしつつも、それがわからなかった。

見せてくれた人に対して、「こんなセンスの絵描けたのか、私のセンスと似てるな」と思った。

が、よくよく思い出してみると、なんか自分が描いた記憶があるようなないような気がしてきた。

インテグラルって重ねて描くの難しいな...」と思ったような記憶があるようなないような...

葛藤

しかしながら、これ、自分が描きました。と言ってしまうのも、自慢っぽく聞こえてしまうような気がしまう。 また、もし自分が描いていなかった時に、相互的に不快な思いになってしまうのではないかと思ってしまい、 なんて聞いたらいいかわからなくなってしまった。

仕方ないので、まずは自分が描いたことを確定させるために、筆跡鑑定をすることにした。

鑑定

実家の弟に連絡し、卒業時の寄せ書きにその人の筆跡が残っているはずなので見せてくれ、と頼んだ。

持ってきてもらう間、その絵をよく観察してみる。 白丸人間に毛が3本生えているが、その三本は、「し」の字の曲がる部分をより緩やかにした線になっている。

これは、私の3本毛を描くスタイルと一致した。左利きということもあって、描きやすいのである。

また、絵の文字にも注目した。「うまい」「大漁」という文字も書いてある。

自分の筆跡を確かめた。なんとなく似ているが、再現性はない。自分が走り書きしたような感じではあるのだが。

「むむむ、わからん」

決定打にかけた。

その時、弟からコメントをもらった。

権威

こういう文の書き方をする人の絵柄と考えるには少し乖離があるな よく見ると向かって右側の方が線画がきれいめなので左利き感あるかもしれんな

客観的に評価を頂いたので、自分が描いた気になってきた。人間とは権威に弱いものである。

確定的になってきたので、念のため本人に確認をとってみた。やはり自分が描いた物であることが判明した。

世華多

よかったよかった。

このよかったは、 - 昔の自分のセンスが健全性を保ったままいることがよかった。 - ちょっとしたいたずらが時を超えて成功したのがよかった。 - 著作権が自分に帰属することが確定してよかった。 - ちょっとしたやりとりが発生して、懐かしみを感じられたのがよかった。

が含まれた。

どうも最近、昔のことが思い出しにくくなっている。

どこかの本で、こんな実験を読んだ。

ある程度の年齢の人間に嘘の思い出話を吹き込むと、ありもしない記憶を「思い出す」らしいという。

当時は、高校生だったか。僕は絶対にそうはならないし、なりたくないって思っていた。

忘れたくもない。

今でもまだ、そう思っている。

いつか捏造された記憶を思い出したとしたら、僕はどんな気分になるのだろうか。

虚な上のさらなる虚な思い出は、僕に何をもたらしてくれるのだろうか。納得してくれるのだろうか。

それは今のところ、わかりませんね。